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社説 森法相の答弁 問題の大本に目を向けよ - 信濃毎日新聞

 森雅子法相が、安倍晋三首相から厳重注意を受けた。

 国会答弁で森氏は、誤った事実認識に基づき自らが所管する検察を非難した。答弁は撤回した一方、判然としない言い訳も重ねている。野党は反発し、国会の混乱を招いた。

 事の発端は、黒川弘務・東京高検検事長の定年延長を認めた閣議決定にある。これを正当化するため、法相や官僚は後付けの無理筋な説明を繰り返してきた。

 責任を負う首相はどう注意したのか。詳細を語っていない。

 安倍政権はきのう、検察庁法改定案を閣議決定した。昨年11月初めの改定原案に検察官の定年を引き上げる条文はなく、12月以降に急きょ加えられた。

 9日の参院予算委員会だった。野党会派が、改定原案から2カ月ほどの間に、検察官の定年延長が必要となるどんな社会情勢の変化があったのか、と迫った。

 何を言おうとしたのか。森氏は「東日本大震災の時、検察官は福島県いわき市から、市民が避難していない中で最初に逃げた。身柄を拘束している十数人を理由なく釈放して逃げた」と答えた。

 法務省によれば、震災直後、地検いわき支部は裁判所から執務場所を変えるよう促された。検察官は住居はそのままに、職場だけ郡山支部に移したという。

 釈放は、勾留期限内に起訴しない場合は容疑者を釈放しなければならない、とする刑事訴訟法にのっとって判断した。

 森氏は11日以降、「個人的見解を述べたのは不適切だった」として答弁を撤回し、謝罪している。が、「法務省が確認した事実と異なる事実を発言した」とも述べるなど、根も葉もない答弁だったとは認めていない。

 国会審議はたびたび停滞し、与党からは「余計なことをしてくれた」との声が漏れる。責める相手は森氏だけではないだろう。

 政権に近いとされる黒川氏の定年延長のため、首相は法解釈を変更したとする。その後、迷走を続けた政府答弁を聞けば、本当に必要な解釈変更の手続きを踏んだのか、極めて疑わしい。

 検察官全体の定年延長の条文を加えた12月以降は、黒川氏の延長を検討した時期と重なる。これもつじつま合わせではないのか。

 検察官の退職年齢を見直すというのなら、まず、黒川氏を巡る閣議決定を取り消すべきだ。政権による検察人事への介入―という強い疑惑が残る限り、まっとうな審議にならない。

(3月14日)

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