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療法食のミルクも飲めなくなった愛猫「ぽんた」 私はシリンジを置き、大声で泣いた(sippo) - Yahoo!ニュース

腎臓病3年目の秋、再び調子が悪化

 しかし10月に入る頃、再び調子が悪くなった。

 リビングに出てくることが減り、私の部屋で過ごす時間が増えた。ときには、クローゼットに潜ったままのこともあった。

 点滴治療のために動物病院に連れて行くと、体重が100グラム減っていた。これは人間に換算すると約1キロ減にあたる。数日後に測ると、また少し減っていた。

 リキッド状の療法食「ミルク」は1日100ミリリットル、1回20ミリリットルを目安に5回に分けて与えていた。この量でこれまで体重が維持できていたのに、ここへきてなぜ減るのだろう。

 確かに、私が長時間外出していたり、夜遅くに帰宅して疲れた日は、5回飲ませられないこともあった。

 体重の減少は気にしないつもりだった。しかし、ぽんたの元気がないと、やはり冷静ではいられない。

ミルクも飲めなくなったぽんた

 私は、毎日100ミリリットルを何がなんでも完飲させようと決めた。ぽんたが気がすすまない様子でも、多少暴れようとも、時間になると部屋の隅に運び、首にエリザベスカラーを装着し、頭を押さえ、口の端にミルクを充填したシリンジを差し込んだ。

 それでも体重は減っていく。焦りにも似た気持ちを抱え、「うー」とうなり首を振るぽんたにミルクを飲ませようとする私に、見かねたようにツレアイが言った。

「もうやめなよ、ぽんた、飲んでないよ」

 我に返ってぽんたを見た。口の周囲はミルクでべたべたしており、からだもところどころ、ミルクの染みで薄汚れていた。あたりの床と壁には、クリーム色の飛沫が派手に付着していた。

 これまで、エリザベスカラーを着ければ素直にミルクを飲んでくれたぽんただが、最近はそうではなかった。口をかたく閉じて抵抗することが多くなっていた。

 無理にこじ開けてミルクを口の中に垂らすことはできたが、ゴクンと飲み込んではくれない。結局ミルクは口の端からあふれ、私はそれをティッシュでふき取り、また次のミルクを注入する。ぽんたが飲み込むまで、これを繰り返すうち、シリンジは空になった。

 毎回、空になったシリンジを見て、ぽんたはミルクを飲んでいる、そう思い込んでいた。というより、思い込もうとしていた。

 ぽんたは、ミルクが飲みたくない。からだが、ミルクを受けつけない。

 その事実を認めたくなかった。ミルクは、ぽんたの命綱だ。

 飲めなくなったら、覚悟をしなければならない。

 私はシリンジを床に置き、幼児のように大声で泣いた。

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March 17, 2020 at 11:50AM
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