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永瀬正敏が学生制作映画「二人ノ世界」に出演した理由〈週刊朝日〉(AERA dot.) - Yahoo!ニュース

 6年前に完成した映画が、ようやく公開されることになった。 「二人ノ世界」は、京都芸術大学で教壇に立つ林海象さんらがプロデュースし、同大学の学生が中心となって制作された。第10回日本シナリオ大賞で佳作を受賞した脚本は、自主映画界隈では、誰が映画化するのか話題になっていたという。 「ちょっと読んでみてよ」  ある日、永瀬さんは、林さんから脚本を渡された。「あ、あの話題のホン(脚本)か」と思って目を通すと、噂通りの見事な脚本だった。プロデューサー直々に、出演のオファーがあり、「まずは監督に、僕でいいか聞いてみてください」と答えた。  映画のスタッフも出演者も、基本的には京都芸術大学の学生かOB、OGである。当然、予算などあってないようなものだ。日本のみならず、海外の名だたる監督と仕事をしている永瀬さんが、この作品に出演した理由は何だったのだろう。 「まず、ホンが面白かったことが大きかったです。それに僕は、今の若い人たちがどんなことを考えているのかに、すごく興味がある。学生である彼ら彼女らは“映画の未来”なわけです。その未来たちと今仕事ができるのは刺激的だし、光栄なことだと思います。彼らと一緒に作品をつくっていると、自分の原点を思い出させてくれる。映画づくりにヘンに慣れてしまうのも嫌なんです」  学生に頼まれて、自主映画に出演したことはこれまでにも4~5回あった。例えば20年ほど前に、園子温監督の「自殺サークル」という映画に出演したときは、ボランティアスタッフだった18歳の女性から、「映画を撮りたいので、出てもらえませんか?」と直接オファーされた。 「『どんな話なの?』と聞くと、『自分の経験を踏まえた、母と娘の話なんです』という。そう言われたら、興味あるじゃないですか。若い子が、どういうふうに自分自身の親子関係を捉えていて、それを映像にどう表現するか見てみたかった。ただ、現場では彼女が自分で撮影も担当していて、機材の使い方からして手こずってましたけどね(笑)。それもまたよかった。今となっては、完成したかどうかもわからない。でも参加したからには、どうにかして、スクリーンにはかけてほしい。それが僕の願いです」

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