セ・リーグ 阪神3-6巨人 ( 2020年9月15日 東京ドーム )
【赤星憲広 視点】攻めの姿勢はいいのですが、タイミングは誤ったと思います。3―5と逆転された直後の阪神の7回の攻撃。無死一、二塁で1ボールからバスターエンドランを仕掛け、梅野は空振りし、二塁走者の小幡も三盗失敗。1死二塁と好機がしぼみ無得点に終わると、一気に敗色ムードが漂ってしまいました。
普段なら選択肢にある策なのですが、この回から登板した高梨がまったく制球できていない状況でした。先頭・小幡が内野安打した初球も外角を狙った直球が真ん中に入り、近本には3ボールの後、1ストライクを取っただけで四球。梅野への初球も明らかなボール球でした。
当然、巨人バッテリーはストライクが欲しいので仕掛ける場面なのですが、それまでの7球を見ているとストライクゾーンに来ないことも十分に予測できました。案の定、梅野がバットにも当てられないような低めボールゾーンのスライダー。この1球以降の高梨は狙ったところに制球できるいつもの変則左腕に息を吹き返しました。
8回の守りも2死二塁から中島を四球で歩かせて一、二塁となった時に左翼と中堅がそれまでの前進守備から後ろに下がりました。ここでは、もう1点も2点も同じだと思うので二塁走者の足の速い増田大を単打で還らせない、かなりの位置まで前進シフトを敷くべきだったと思います。
外野手の頭を越される長打なら仕方がありません。しかもマウンドの馬場は低めに沈む変化球を武器とするので、安打にされるならゴロで内野の間を抜く可能性の方が高く、実際にそういう打球が二遊間を抜けていきました。せっかく菅野から5回までに3得点したのに、もったいない敗戦になったと思います。
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