日本サッカー協会は1日、オランダ遠征に臨む久保建英(19=ビリャレアル)らメンバー25人を発表した。新型コロナ禍の影響から日本、ロシア、セルビアでプレーする選手は招集を見送り、全員が欧州組。森保ジャパンの大半の活動で10番を背負ってきたMF中島翔哉(26=ポルト)は選外となり、新10番候補に久保が浮上した。10番をつけてピッチに立てば、J発足以降、11年1月の香川(21歳298日)を抜いて歴代最年少となる。
約10カ月ぶりの代表活動。月日を感じさせる最大の変化は「10番」の不在だった。欧州組のほぼベストメンバーがそろう中、所属先のポルトで3月以降公式戦の出場がない中島が、海外組を招集した代表活動では森保監督就任以来初めて選外に。新10番は誰か。その候補に久保が浮上した。
エース格の南野は「9」、柴崎は「7」と他の主力の背番号は固定されており、10番候補には久保のほか、五輪世代の活動でつける三好らが挙がる。求められるのは「代表の顔」「将来性」「日本サッカーの未来を託せる器」――。久保ならば10代での10番はJリーグ発足後最年少となるが、既にその資格は十分にある。
遠征には欧州組のほぼベストメンバーが顔をそろえた。狙いは来年3月再開予定のW杯アジア予選に向けたコンセプトの再共有。岡崎、長友らベテランも交え、指揮官は「経験が豊富な選手と浅い選手の融合を図りながら、個のレベルアップとチームの強化をしていく」と話す。久保をはじめ、五輪世代は7人。オーバーエージ枠3人を加えればフィールド10人が成立する人数で、川口能活氏ら五輪スタッフも同行して五輪準備も同時ににらむ。
不要不急が叫ばれ、スポーツの意味が問われたコロナ禍。遠征の実現にも国をまたいだ多くの尽力があった。「日本代表の活動が、日本の国民の皆さんにとって必要なものでなくてはいけない。社会に恩返しをしていかなければいけない。試合を通して元気や勇気を感じてもらうことで、日常生活の励みにしていただきたい」。森保監督は“施し返す”活動を強く誓った。
《これまでは香川21歳298日》日本代表「10番」の国際Aマッチ最年少出場はJ創設以降では、11年香川の21歳298日。久保が背番号「10番」で9日からの親善試合2戦(9日カメルーン戦=19歳127日、13日コートジボワール戦=19歳131日)のいずれかで出場すれば香川の記録を大きく更新する。10代での出場は初めてとなる。
《20歳菅原初選出 指揮官将来期待》唯一の初選出として20歳のDF菅原由勢(AZアルクマール)が“青田買い”招集された。昨年11月には東京五輪に出場するU―22日本代表としてコロンビア戦にも出場。森保監督は「彼のプレー、オフ・ザ・ピッチのところは見て評価させてもらい、今回の招集に至った。将来、A代表に十分絡んでくるだろうという期待も込めて招集している。貪欲に成長につながる吸収をしてもらいたい」と話した。
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