国内の玩具メーカーおよび団体192社で結成される日本玩具協会は6月16~17日の2日間、国内最大規模の玩具見本市「東京おもちゃショー2022」を東京臨海都心の東京ビッグサイトで開催した。
日本玩具協会によると、コロナ禍という非常事態と、近年ますます顕著になっている少子化トレンドの中でも、玩具に対するニーズは極めて高く、今後さらに成長していく可能性があるという。
3年ぶり、第59回の開催となる今年の東京おもちゃショーは、96事業者が約2万点のおもちゃを展示した(5月25日現在の予定)。また、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、ビジネス関係者を対象とした商談見本市のみでの開催となった。
ハピネット(東京おもちゃショー2022)◆玩具市場規模の概況
おもちゃショー開催に先立つ6月14日、日本玩具協会では、2021年度の玩具市場規模の概況を発表した。2021年度の日本国内における玩具市場規模は、上代価格(希望小売価格)ベースで8946億円で、前年度比108.5%だった。現在の形で調査を始めた2001年以来、最高を記録した。
玩具の中核を占める10分野では、2021年度の市場規模は5817億円で、前年度比111.7%と、こちらも過去最高となった。主要10分野=(1)ゲーム、(2)カードゲーム、トレーディングカード、(3)ジグソーパズル、(4)ハイテク系トレンドトイ、(5)キャラクター、(6)のりもの玩具、(7)ドール、 ままごと、(8)ぬいぐるみ、(9)知育・教育、(10)季節商品
2021年度で特に伸び率の大きかった商品分野は、(1)カードゲーム・トレーディングカード:145.6%、(2)ハイテク系トレンドトイ:140.3%、(3)のりもの玩具:112.2%、(4)ホビー:106.6%、(5)ぬいぐるみ:106.3%だった。中核となる10分野からカードゲーム・トレーディングカードを除いた前期比売上高は101.3%なので、この分野の好調がわかる。
また中分類において、特に売り上げ金額での伸びが大きかったのは、(1)プラモデル、(2)フィギュア、(3)ミニカー、(4)サマートイ・サマーグッズ、(5)レールトイ、(6)キャラクターぬいぐるみ、だった。
タカラトミー(東京おもちゃショー2022)◆2021年度の商品動向
2021年度の玩具市場規模が、調査開始以来、過去最高を記録した最大の要因は、カードゲーム・トレーディングカードの躍進だ。
日本玩具協会によると、この躍進の理由は、いずれの商品も発売開始から20~25年が経って2世代型の遊びになっていること、スマホ向け位置情報ゲームアプリや、配信ゲームなどが加わったことによる対象年齢の拡大、新規ユーザーの獲得、さらにレアカードの高額取引などの話題性による。のりもの玩具の伸長はタカラトミーの『トミカ』、『プラレール』が高い人気を集めたことによるものだという。
2021年度の前期比増減で留意すべき傾向は、コロナ禍の2年目で、コロナ禍が始まった2020年に大きく伸びた分野は、その反動で2021年度は伸び悩んだこと。
例えば、2020年度に対前年度比158.7%と最も伸びたジグソーパズルは、2021年には85.8%、2020年度に124.9%だった一般ゲームは91.5%となった。ただし、それでも2021年度の売上金額は、コロナ前の2019年度よりも大幅に伸びているという。
好調だった2021年度を受けて、これから夏休み商戦、そして最も重要なクリスマス商戦へと向かっていく玩具業界だが、日本玩具協会では、2022年度も大きな成果が得られることを期待している。
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