日本株は徐々に底堅くなってきた。だが「中国リスク」などについて、個々の日本企業はどこまで真剣に考えているだろうか(写真:ブルームバーグ)
前回のコラム「アメリカの『景気後退懸念』はかなり行きすぎだ」では、アメリカの株式市場について、景気や企業収益に対する懸念が過度であること、また以前大いに騒いでいたインフレ懸念や長期金利上昇懸念についても落ち着きを取り戻しつつあることを、指摘した。
アメリカは物価指数の「上振れ」を乗り越えた
直近のアメリカ市場の動向は、こうした筆者の大枠の見解に沿ったものであったといえよう。
まず、インフレ懸念と長期金利上昇懸念については、先週は同国で主要な物価指標の公表があった。7月13日には6月の消費者物価指数が発表され、前年同月比上昇率は9.1%と、近年の最高値であった5月の8.6%から一段と伸びを高めた。翌14日には6月の生産者物価指数が前年同月比11.3%と、やはり5月の10.9%を上回る上昇率となった。
物価上昇率の上伸ないし高止まりは、今後もしばらく続くだろう。というのは、原材料やエネルギーの価格、賃金などが上昇してから、企業がそれを最終製品やサービスの値段に転嫁するまでには時間差があるからだ。また連銀(中央銀行)も、利上げ判断の根拠としては、遅行指標である両物価指数や個人消費デフレーターなどを踏まえることとなるため、これからも利上げ基調を維持することとなろう。
ただ、市場においては「7月27日の利上げは1.0%になるかもしれない」などとうろたえた向きが増えたことに対し、クリストファー・ウォラー理事やセントルイス連銀のジェームス・ブラード総裁は「0.75%の利上げを支持する」と述べ、過度の利上げ懸念を冷やす発言をした。
アメリカの証券市場の反応も、総じて落ち着いていたといえよう。10年国債利回りは、13、14日とも物価指数の発表直後は3.0%を超える動きがあったが、それぞれの日の引けにかけては3.0%を下回った。
NY(ニューヨーク)ダウ工業株指数は、13日は前出の消費者物価指数の発表を受けて、ザラ場では前日比で467ドル下落したが、引けには209ドル安まで戻した。また、14日も同様に、ザラ場安値は629ドル幅の下げだったものの、引けは143ドル安まで下落幅を縮小した。以前であれば、物価指数が上振れすると、NYダウは数百ドル幅で下落してそのまま持ち直せないところだったが、投資家が下値での買い意欲を示したと推察される。
さらにナスダック総合指数は、14日はNYダウが下落する中、前日比で反転上昇した。半導体株の代表的指標であるSOX指数は、13、14両日とも前日比で上昇した。
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