米国株への逆風は3月にさらに強まり、相場は企業利益低迷と高いバリュエーションの圧力にさらされるだろうと、モルガン・スタンレーのストラテジストが予想した。
マイケル・ウィルソン氏らストラテジストは27日のリポートで「利益不況の終わりには程遠いとの見方に基づき、3月は株価が次に下落局面に入るリスクが高い月だと思われる」と分析した。
アナリストによる向こう12カ月の利益予想下方修正が一段落したことで、一部投資家は安心したようだとウィルソン氏は指摘。しかし弱気相場では四半期決算シーズンの合間に利益見通しが横ばいとなった後、悪化トレンドが再開することが多いと説明した。「株式市場は1カ月前にこれを認識し下落する傾向があるが、今回のサイクルはこのパターンに完全に当てはまる」と指摘した。
インフレ長期化で米利上げが継続するとの懸念が強まり、S&P500種株価指数は週間ベースでここ3週連続下落した。それまでは連邦公開市場委員会(FOMC)が近くタカ派姿勢を転換させるとの期待から、昨年10月に付けた安値から一時は17%回復していた。
ウィルソン氏は「ファンダメンタルズについての不確実性がこれほど高いことはめったにない。市場の次の大きな動きを決めるのはテクニカル要因かもしれない」との見方も示し、S&P500種が200日移動平均を回復したことを指摘した。
「今回の上昇はブルトラップだと思うが、この水準を維持できれば、利益下方修正を完全に織り込む前の最後の抵抗になるかもしれない」と分析。そのためには金利とドルが下がる必要があるとし、もしこれらが上昇するならば、テクニカルな支持線は簡単に破られるだろうと付け加えた。
ウィルソン氏は今月、S&P500種が今年前半に3000まで下げる可能性があるとしていた。「バリュエーションは総じて高い」との先週の見解を、この日改めて示した。
米株市場は金融政策と企業利益の現実無視-モルガンSのウィルソン氏
原題: Morgan Stanley’s Wilson Says March Will Bring Bear-Market Risks(抜粋)
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