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小糸製作所、光に託す「クルマの目」 - 日本経済新聞

静岡県などが進める自動運転実験「しずおかShowCASEプロジェクト」。全国初の自動運転バスを使った信号制御実験の目標は、バスのスムーズな運行の実現だけではない。将来的に住宅や家電、公共空間のあらゆるモノとつながる街づくりを目指す取り組みだ。基幹システムを担った小糸製作所は次の「つながる」(コネクティッド=C)を目指して動き出している。

小糸製作所は街路灯や信号機とクルマがつながる未来図を描く=同社提供

小糸製作所は街路灯や信号機とクルマがつながる未来図を描く=同社提供

小糸製作所は進行方向を地面に示すヘッドランプを開発中だ(静岡市の同社)

小糸製作所は進行方向を地面に示すヘッドランプを開発中だ(静岡市の同社)

自動車のヘッドランプ製造大手である小糸製作所は静岡市内に研究開発拠点を持つ。現在開発しているのが、光センサーやLiDAR(ライダー)と呼ぶ次世代センサーを内蔵した新しいランプだ。

道路の周辺状況や歩行者を感知するセンサーは自動運転車両の天井の上やランプ付近の四隅に付けることが多い。伊藤昌康モビリティ戦略部長は「ランプとセンサーは場所的に相性がいい。ランプメーカーとして絶好のチャンス」と話す。

さらにランプの役割で強調するのが「クルマの意思」という概念だ。試作中のランプは、地面に光を当ててクルマが走行しようとする経路を歩行者に伝達する。自動化するにつれてクルマがどう動きたいと考えているかを周囲に伝えることが安全面で重要になる。

有馬健司副社長は「人間同士でもハザードランプで『ありがとう』と伝えるなど意思疎通する。自動運転になるとより具体的な意思表示の方法が必要」と語り、今後さらに研究を深めていく考えだ。

「光を使って交通の安全、安心、快適に寄与していくことが我々の使命。それにクルマ側からと街づくり側からの両面で取り組む」と有馬健司副社長は力を込める。

同社が将来描くのは、今回用意した信号制御システムだけでなく、クルマと街路灯がつながる仕組みだ。現在開発中の人や物の動きを検知する街路灯は、いわば「クルマの目」となり、危険があれば運転手や自動運転システム、街路灯付近の歩行者に伝達する。

自動車メーカーがクルマそのものの自動運転技術の開発を競う中で、こうしたアプローチをする事例は増えつつある。今回の実験に参加した群馬大学もそうしたプレーヤーの一つだ。

群馬大は2019年12月、大学キャンパスとJR渋川駅間で実験した際に、道路に埋め込んだ磁石や信号機に設置した通信機からの情報により、全地球測位システム(GPS)の受信環境が悪い場所でもバスの位置を検出できるようにした。

群馬大次世代モビリティ社会実装研究センターの小木津武樹副センター長は「土地ごとの状況に合わせて作り込むことで自動車メーカーの技術と差別化する。地域限定だが、より安全で効率的な自動運転ができる」と話す。

トヨタ自動車が静岡県裾野市で計画するスマートシティー構想に代表されるコネクティッド分野は、自動運転にとどまらず、住宅や家電、公共空間上のあらゆるモノがつながる街づくり全体を見据えたテーマになりつつある。膨大なデータをやりとりする通信環境も国を挙げて整備が進む。20年春からは次世代通信規格「5G」の商用サービスが始まり、ポスト5Gを探る動きも出てきた。

コネクティッド分野は、何と何がどのようにつながるのか、という個別の方法論は混沌としており、今後は覇権を巡る攻防や勢力争いが激化するとみられる。そうした中で静岡発の実験が持つ意義は決して少なくない。

安芸悟が担当しました。

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February 05, 2020 at 03:04PM
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