豊島名人先手で戦型は角換わり腰掛銀となりました。
47手目。豊島名人は守りの銀を中段四段目に上がります。
豊島名人が席をはずした後、渡辺三冠は記録係に頼んで棋譜を手にし、目を通します。高段者ならば当然、その局面に至るまでの指し手は頭の中に入っていますが、棋譜を目にして改めて流れを確認することはあるそうです。また、消費時間をチェックすることもできます。
渡辺三冠はずっとつけていた白いマスクをはずします。豊島名人が席に戻ってきた後も、しばらくマスクをはずしたまま読みにふけっていました。
48手目。渡辺三冠はちょうど30分の消費で2二の地点に玉を入城しました。中住居(5八)にかまえる豊島玉とは対照的です。
その後、渡辺三冠は黒いランニング用のマスクを着けました。
凄み十分の出で立ちです。観戦者からはいろいろな声が上がっていますが、筆者は時代劇などで口元を覆う出で立ちで演じられている、名将・大谷刑部吉継を連想しました。
渡辺三冠は4月22日のブログで次のように記しています。
55手目。時刻は18時前。豊島名人は自陣四段目に角を打ちました。斜め四方に利く攻防の要所で、この角のはたらきが今後の大きなポイントとなりそうです。
渡辺二冠は考慮中に、黒いマスクをはずし、しばらくはそのままで考えていました。そして今度は元の白いマスクに戻しました。
18時30分。手番の渡辺三冠が56手目を封じることが決まりました。盤側に座る立会人・福崎文吾九段が次のように告げます。
「18時半になりましたので、次の手は指さずに封じ手となります」
一呼吸を置いて、渡辺三冠が盤側の方を向いて声を発しました。
「じゃあ封じます」
渡辺三冠は立ち上がり、福崎九段から封じ手記入用紙、封筒などを受け取って、別室に移動しました。
渡辺三冠は別室で封じ手を記入した後、3分弱で対局室に戻ってきました。豊島名人が2通の封筒を受け取り、赤ペンでサインをします。
渡辺三冠が福崎九段の方に手を伸ばし、封筒を預けて10秒ほど静止。ここが報道陣にとっては撮影ポイントとなります。
そして1日目の対局が終了しました。中盤の難所で、形勢はまったく互角と言ってよさそうです。
明日2日目は9時から始まります。
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June 10, 2020 at 05:25PM
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黒いランニング用マスクで凄み十分の渡辺明挑戦者(36)56手目を封じ、名人戦第1局1日目終了(松本博文) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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