2020年07月08日07時18分
球磨川の氾濫で市街地一帯が水没した熊本県人吉市。川沿いの同市下薩摩瀬町に住む益田圭祐さん(67)は、濁流にのまれながらも妻を助け、力尽きた近隣住民の最後の姿を克明に覚えている。「目の前で流されていった。無力感に襲われた」。断続的に強い雨が降った7日、身を寄せる避難所の前で暗い表情を見せた。
橋に大木、道は寸断 被害の爪痕、生々しく―17人犠牲の球磨村・熊本
4日、益田さん宅の近くに住む井上三郎さん(81)が自宅前で泥水にのまれ、亡くなった。
前夜から強い雨が続いていた。4日朝、川の水位は急速に上昇。益田さんが家の外に出ると、氾濫した茶色い水が膝の高さまで来ていた。何とか10メートル進むも、動けない。道の先では、井上さん夫妻が塀の茂みに必死にしがみつき、流れにあらがっているのが見えた。
向かいの住人が、助けようとビニールテープを投げた。井上さんはそれを妻の手に巻き付けた直後、力尽きて沈み、流されていった。最後は妻の方に顔を向け、手を振るようにしていた。「目の前で人が死ぬ無力感。おやじたちが戦争体験を語りたがらなかった心情を理解できた」と語る益田さん。テープが引っ張り上げられ、井上さんの妻が助かったことが救いだった。
下薩摩瀬町では7日、行方不明だった西英雄さん(83)とタヅ子さん(75)夫婦の死亡も確認された。隣近所に住む看護師田山順子さん(64)によると、農業をする西さんは働き者で、農業委員も務めていた。「温厚でおとなしい人だった」。タヅ子さんは時折、栽培したキャベツやタマネギ、ナスなどを分けに来てくれたという。
4日朝、周辺の水かさがあっという間に増し、田山さんは慌てて自宅2階に避難した。だが、西さん夫妻は平屋に住んでおり、避難が難しかったとみられる。「自分が逃げ出すのに必死だった」。泥かきをしていた手を止め、二人の死を惜しんだ。
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July 08, 2020 at 05:23AM
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妻救い、力尽きる 襲う濁流「目の前で流された」 亡くなった井上さん・熊本 - 時事通信ニュース
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