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声優、斎藤千和の一番の批評家は? 「がんばれいわ!!ロボコン」で新境地 - 時事通信ニュース

2020年07月26日12時00分

今後やってみたいのは「説得力のあるおばあちゃん役とボス的な悪役」と言う斎藤千和=東京都内

今後やってみたいのは「説得力のあるおばあちゃん役とボス的な悪役」と言う斎藤千和=東京都内

 昭和と平成の2度にわたりテレビ放映されて人気を博した特撮キャラクターが、令和の時代によみがえった。映画「がんばれいわ!!ロボコン」(石田秀範監督)は、人間の役に立とうと必死で努力するドジなロボットを主人公にした破天荒なコメディー。

ロボコンの声に抜てきされたのは「魔法少女まどか☆マギカ」「ケロロ軍曹」などで知られる人気声優の斎藤千和。これまではかわいい女性役のイメージが強く、「ロボコンのような元気な男の子の役を自分がやるとは思わなかった。新鮮でした」と話す。全力で頑張るロボコンの姿が新たな役柄に挑む自分自身にリンクしたという。

石ノ森章太郎原作の「ロボコン」は「仮面ライダー」や「スーパー戦隊」シリーズに次ぐ東映の人気キャラクター。A級ロボットを目指して世のため人のために働くロボット学校の生徒たちの悪戦苦闘を描く。第1弾の「がんばれ!!ロボコン」は1974年に放映が開始され、足かけ2年半、全118話を数える大ヒット番組に。1999~2000年には平成版の「燃えろ!!ロボコン」が製作され、1年間放送された。

1981年生まれの斎藤にとって両シリーズともになじみはなかったが、テレビの特番などでその存在は知っていたという。「『ロボコン、0点』とか(口癖の)『ウララ~』などは強く印象に残っている。出演が決まった後、昭和ロボコンを見ていた私より少し年上の世代の方からすごい反応がありました」と話す。

清水ミチコ(左)ら個性的な共演者も魅力の「がんばれいわ!!ロボコン」(C)石森プロ・東映

清水ミチコ(左)ら個性的な共演者も魅力の「がんばれいわ!!ロボコン」(C)石森プロ・東映


キャスティングはオーディションで、用意されたせりふを録音して製作サイドに送る形で行われた。今回は自分のタイプとは正反対のキャラクターだったため、半ば開き直って「すべてのせりふをギャグのように好き勝手に、楽しく面白くやってみた」。それは「自分の楽器」である喉に多大な負担を与えかねないやり方で、「受かったと聞いたときは『まずいな』と思ったほど」と冗談交じりに振り返る。

出演決定後の稽古は、2歳の息子を送り迎えする車の中で行った。「(決めぜりふの)『ロボ根性!』とか『ウララ~』とか。それで息子が笑ったら『この方向性だ! 正解!』みたいな感じで自分の中のロボコン像が固まっていきました」

その際に「全力でやらないと子供は笑わない」ことを学んだという。テクニックを駆使して面白おかしくやってもクスリともしないのに、喉がつぶれるぐらいに全力でやると、ゲラゲラと笑う。「子供ってすごいなと思った。息子がいてくれたことで、答えが一つ見えたようなところがありました」。今回の仕事では息子さんが一番の批評家だったと言えそうだ。

「最初はプレッシャーもあったが、全力で子供を楽しませようと思ってからは気持ちが軽くなりました」と話す斎藤千和=東京都内

「最初はプレッシャーもあったが、全力で子供を楽しませようと思ってからは気持ちが軽くなりました」と話す斎藤千和=東京都内

◇役柄が無限の広がるのが声優業の魅力

「がんばれいわ!!ロボコン」は、「ウララ~!恋する汁なしタンタンメン!!の巻」の副題で、空から町の中華屋「全中華」に舞い降りてきたロボコンが偶然、汁のないタンタンメンを作ったことから起こる大騒動を描く。タンタンメンがお店の覇権をめぐって他の中華料理と対立するという奇天烈(きてれつ)な内容で、「何か意味があったり、学べる部分があったりするわけではないけれど、見終わった後には満足感が得られるのでは」と斎藤は言う。

「新型コロナウイルスの感染拡大が進み、皆の元気がなくなっている中、ロボコンは『がんばれいわ~!』と言いながらハチャメチャをやって帰っていく。それを見ていると、暗い気持ちでいることが何だか馬鹿らしくなってくる。全力で面白いことをやっているので、それを見て笑っていただければ」

声優歴20年超を誇るベテランとしてアニメーションを中心に活躍してきた。今作のような実写作品は「ゼロベースのものに魂を入れる」アニメーションとは異なり、「すでに魂が入ったものにスパイスを加える」感覚があったという。「ロボコンのスーツアクターの神尾直子さんがお上手で、小さな動きからも感情が読み取れた。そこに追随していけばよく、迷うところは一つもなかった」

デザインもリニューアルされた「がんばれいわ!!ロボコン」(C)石森プロ・東映

デザインもリニューアルされた「がんばれいわ!!ロボコン」(C)石森プロ・東映


声優の魅力は役柄が無限に広がることだという。「私自身が実際に舞台に立ったり、映像に出たりする場合は、やれるものは相当に限られてくる。今回のロボコンのような役は実写の世界にいたら起こりえない。素の自分なら絶対にできない役がやれるのがうれしい」。同時に実年齢や人生を生かした演技も声優の醍醐味(だいごみ)と考えており、今は「お母さん役がすごく楽しい」と表情をほころばせる。

実生活では2児の母親。今回、子供向けに徹した作品に携わったことで、子供番組の奥深さを知ったという。「いまだに昭和時代のロボコンを覚えている大人たちがいる。子供が見ても記憶に残るものを作るのはすごいこと。私の子供たちも『がんばれいわ~』をずっと覚えていてくれるかもしれない。そう思うと、他の作品よりもモチベーションは高かったかもしれないです」

ちなみに今も自身の心に残る作品は、今作の脚本を執筆した浦沢義雄がメーンライターを務めた「魔法少女ちゅうかなぱいぱい!」や、スーパー戦隊シリーズの「科学戦隊ダイナマン」「電撃戦隊チェンジマン」だという。ロボコンも今作の反響次第では続編やシリーズ化が期待できそうだが、「ぜひ、やってほしい。喉がつぶれてもやります」とちょっぴりおどけながら決意を語ってくれた。

「がんばれいわ!!ロボコン」は7月31日公開(アニメーション「人体のサバイバル!」と同時上映)。(時事通信社編集委員・小菅昭彦、写真・入江明廣)

斎藤千和(さいとう・ちわ)=1981年3月12日生まれ、埼玉県出身。このほかの代表作に「化物語」「黒子のバスケ」「ARIA The ANIMATION」など。洋画やテレビドラマなどの吹き替えでも活躍する。

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