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直径約1ミリの内視鏡で「涙目」を治す! 涙道の閉塞部位をモニターで見ながら開通 - ITmedia

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 「内視鏡」といえば胃や大腸、膀胱などを検査したり、がんなどの病変を切除する手術に使われていることは、ご存じの通り。ところが技術の進歩で、近年では「眼科」でも内視鏡が用いられるようになってきた。

photo 直径約1mmの涙道内視鏡

 使われるのは、目に涙が慢性的にたまる「流涙症」の治療。この病気は、主に加齢によって涙が排出される道が狭窄(きょうさく)したり、閉塞(へいそく)することで発症する。「涙目による不快感」「視界がぼやける」「目ヤニがたまる」などが典型的な症状だ。細菌感染すると目頭が赤く腫れて痛みを伴う「急性涙嚢炎」を起こす場合もある。

 5年前から「涙道内視鏡」と呼ばれる内視鏡を使って年間30〜40例の治療を行っている「宇野眼科医院」(埼玉県志木市)の宇野毅院長が説明する。

 「上まぶたの奥にある『涙腺』から分泌された涙は、目頭にある『涙点』(上下2つある)という排出口から涙道を通って鼻に抜けています。ひと昔前の治療は、ブジー(細い金属の棒)という器具を涙点から挿入して、手応えや感覚で涙道の閉塞部位を突いて開通させていました。涙道内視鏡はブジーの代わりとなり、モニター映像で涙道内部を見ながら開通させるので、より安全で適切に処置できるのです」

 涙道には、涙点から「涙小管」「涙嚢」「鼻涙管」という部分がある。特に涙小管は軟らかい筋肉に取り囲まれていて、フニャフニャしているので開通が難しい部位。ブジーで無理に力を入れると誤った方向に穴を開けてしまったり、傷をつけてしまう可能性もある。そのため流涙症の治療を行っている眼科はあまり多くはなく、涙道内視鏡を導入する施設はまだ少ないという。

 涙道内視鏡は涙道を通るぐらいだから超極細で、現在、直径0.7mmと直径0.9mmの2つのタイプがある。ブジーを使った場合も、涙道内視鏡を使った場合も、治療は閉塞部位を開通させて終わりではない。

 「そのままだとすぐに再度閉塞してしまうので、涙道を広げた後に太さ約1ミリ、長さ約9センチのシリコンチューブを上下の涙点に通して留置します。そして、3カ月後に抜去して終わりです。この一連の治療は『涙管チューブ挿入術』と呼ばれ、涙道内視鏡を使った場合の所要時間は20〜30分くらいです。閉塞の部位や程度にもよりますが、7〜8割の患者さんは症状の改善が見込めます」

 また、再発を繰り返したり、重症例には「涙嚢鼻腔吻合術」という鼻の付け根の骨を削って涙嚢から鼻腔へバイパスを作る手術も行われている。しかし、涙道内視鏡による涙管チューブ挿入術は侵襲が少ないため第一選択となる術式だ。内視鏡やチューブも今後さらに改良、発展して行く可能性があり、治療がさらに普及していくと思われる。(新井貴)

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August 31, 2020 at 05:00AM
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