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「そう!それ!」脚本家・坂元裕二の執筆スタイルに、イチロー&カール・ゴッチの教え!? - フジテレビュー!!

石橋貴明が文化人、ミュージシャン、タレント、アスリートなどジャンルを問わず“話してみたい”ゲストを迎え、焚き火の前でじっくり語り合うフジテレビ『石橋、薪を焚べる』。

8月4日(火)の放送は、ゲストに脚本家の坂元裕二が登場し、脚本を書き始めたきっかけや、執筆スタイルなどについて語った。

『石橋、薪を焚べる』の(左から)坂元裕二、石橋貴明
左から)坂元裕二、石橋貴明

「とんねるずに会いたい一心」で初めてのシナリオを書いた

坂元は、1987年に「第1回フジテレビヤングシナリオ大賞」を19歳の若さで受賞。その直後に、石橋は坂元と出会っていたといい、坂元は「貴明さんが僕を覚えてくださってることが驚き」と声を上げる。

石橋:すごい覚えてるの。六本木に、いつも飲んでいたバーがあって。そこのバーにいつものように「最後一杯飲んでいこうか」って行ったときに、まだ若干二十歳だった坂元青年が、フジテレビの…あれは山田さんですよね?

『石橋、薪を焚べる』の石橋貴明

坂元:山田良明(ヨシアキ)さんという『北の国から』や、トレンディドラマを作られた、僕の恩師なんですけど、プロデューサーで。

『石橋、薪を焚べる』の(左から)坂元裕二、石橋貴明

石橋:そうですよね、業界的には「ヤマダリョウメイ」さん。

坂元:「リョウメイ」さんですね。ええ。

石橋:その山田良明さんの隣に青年が座ってたんですよ。「この青年は誰なんだろう?」と思って。山田さんが「石橋くん、今回ね、フジテレビでヤングシナリオ大賞という企画をやっていて、その第1回の優勝者の坂元くん」って。「どうも初めまして。脚本を書かれるの?ぜひ頑張ってください」っていう話をしたんですよね。

坂元:そうですね。僕の記憶では、貴明さんが(席に)呼んでくださったんですよ。

石橋:え?

坂元:「彼は貴明さんのファンだよ」ということを誰かが言ってくださって。で、貴明さんが「ファンなんだったらこっちにおいでよ」って。

石橋:そんな生意気な態度(笑)?

『石橋、薪を焚べる』の石橋貴明

坂元:生意気というか、僕がものすごい目線を送ってたんです。「いるいるいる!」という。それで「あの子、俺のファンなんだから、座らせてあげなよ」って、座らせてもらったんです。

と、出会いを振り返った。そもそも、脚本を書いたきっかけも「とんねるず」にあった。

坂元裕二さん

坂元:高校卒業して、フリーターやっていたんですよね。特に就職もせず、進学もせず、モヤモヤっと生きていたんですけども。そのころの僕の唯一の楽しみが、(とんねるずが担当する)火曜日の「オールナイトニッポン」で。「オールナイトニッポン」をずっと聞いていましたね。漠然と「とんねるずに会いたいな」という。

石橋:あっははははは。

坂元:そんな高校3年生だったんですよね。当時、お好み焼き屋さんでバイトしていたんですけど、店長さんから「坂元、お客さんにお水を出すときに、コップで音を立てるな」と言われたんですね。「コップをテーブルに置くときに音を立てないなんて、できないよ」と思って、イライラしながら帰り道に本屋に寄って雑誌を見ていたら、フジテレビヤングシナリオ大賞の募集要項が載っていて。「これを書けばフジテレビに行けるぞ」「フジテレビに行けばとんねるずに会えるぞ」と思って、書いたら、呼んでいただいて、今に至るんですけど。

石橋:え?その前に演劇部で本を書いたとかそういうことは?

坂元:ないんですよね。たぶん、物を書くことには、そんなに自分の興味としては、なかったんですよね。

石橋:それで、フジテレビヤングシナリオ大賞のトップになってしまったの?

坂元:とんねるずに会いたい一心だったんですよね。

石橋がバーで会った時は「そんなにうれしそうな感じじゃなかった」と振り返ると、坂元は「あんまり感情が出ないほうなんですかね。めちゃくちゃうれしかったですね。今も、興奮してます」と笑わせた。

『石橋、薪を焚べる』の(左から)坂元裕二、石橋貴明

5年間朝から晩までゲーム漬け!貯金が2万円になって…

23歳で大ヒットドラマ『東京ラブストーリー』を手がけたが、その後、執筆を辞めた時期があった。実は、脚本を書くことを「自分の仕事だとは思っていなかった」という。

石橋:何をやろうとしていたの?

坂元:図書(館)司書になろうかなと思っていたんですけど。

石橋:え?図書?

坂元:図書館で、本を整理したりする人ですね。

石橋:何それ(笑)。

坂元:あれが「カッコイイな」といつも思っていて、なりたかったんですよね。あれになるためには、大学に入って資格を取らなきゃいけないんですよ。僕、高卒なもんですから、じゃあ大学行くところから始めなきゃいけないんだと。と思っているうちに5年経っていた、という。

『石橋、薪を焚べる』の(左から)坂元裕二、石橋貴明

石橋:じゃ、その5年…。

坂元:ゲームやっちゃってて。

石橋:え?5年間?

坂元:5年間ゲームやってたんですよ。朝起きたらゲームのスイッチを入れて、寝る前に切る、みたいな。

石橋:何のゲームを?

坂元:当時プレイステーションが出たばっかりで。「バイオハザード」とか、そういう新しいやつにハマっていったというか。それまで「スーパーマリオ」みたいなのばっかりだったのが「今、こんなゲームがあるんだ!」と思って、ちょっと感動して。そこから5年ですね。

石橋:5年間入っちゃったの、その世界に?

坂元:5年間入りましたね。

石橋:それでハマって、何で「もうやめた!」ってなったの?

坂元:あのね、貯金が2万円になったんですよね。

石橋:ふっふっふっふ。

『石橋、薪を焚べる』の(左から)坂元裕二、石橋貴明

坂元:前の月までは、まだまだたくさんあるものだと思っていたら「あ、俺、今人生で2万円しか持ってない」ということに気がついて。

そこで「働かなきゃ」と思い脚本を再び書き始め、現在に至るそうで、石橋は「そんな人生、ある?」と驚いていた。

執筆スタイルに影響を与えた?イチロー、カール・ゴッチ、宮崎駿

石橋は、坂元作品の生み出し方についても聞いていく。

石橋貴明

石橋:脚本のヒントってどんなところから?

坂元:基本的にあんまり外に出ないんですよね。仕事場があるんですけど、とにかく部屋から出ない、椅子から離れない、パソコンから目を離さない。これで日々過ごしているので、あんまりね、インプットがないんですよ。

石橋:けど、何かヒントとか、とっかかりがないと、だって、さすがに物語がスタートしていかないでしょ?

坂元:役者さんの声が好きで。

石橋:鳴るの?

坂元:聞こえるんですかね。その人を思い浮かべると声が聞こえて、なんでしょう…「この人にこういう場所に行ってほしいな」とか、そういうことから順番に連想ゲームみたいにして考えていくんですかね。

石橋:と、お話になるの?

坂元:一行目から考えていくんです。何かアイデア思いついたりすると、途中にあったりするじゃないですか。お話の真ん中あたりのアイデアを思いついたりすると、そこに行くまでが面倒臭いんですよね。だから一番最初に起こるところから考えていって、順番に、その人と一緒に生きるように「こんなことあったよ、大変だね」とか、登場人物と一緒に会話をしながらストーリーを作っていく感じです。

石橋:(連続ドラマの)十何本!?

坂元:そうですね、11本なり、10本なり。

石橋:すごいね。そういう才能ってやっぱすごいなぁ。

坂元:良いシーン、良いセリフを一個一個積み重ねるのがやっぱり一番だと思うので、あまり大きく考えないです。イチローが言ってたじゃないですか「遠くに行くためには、目の前を一歩ずつ行くしかない」って。それ、「そう!」って思いましたね。

石橋:ふっははは。

坂元:イチローと比べるの申し訳ないですけど。「それそれ!俺も知ってる!」って。

石橋:(笑)。でも何でそんな、家から一歩も出ないでパッと浮かぶんだろう?

坂元:カール・ゴッチっているじゃないですか。

石橋:はい。アントニオ猪木さんの師匠。

坂元:誰かがインタビューをして「一番のすごい技は何ですか?」と聞いたんですよ。「コンディションだ」って。「コンディションを整えることが一番すごい技なんだ、一番強いやつなんだ」っておっしゃって。「それ!」って思いまして。

『石橋、薪を焚べる』の(左から)坂元裕二、石橋貴明

石橋:また、イチローの「遠くへ行くには一歩ずつ」に続いて「それ!」って(笑)。

坂元:やっぱり調子良いときというのが、一番良いじゃないですか。どんなに考えたり一生懸命作ったものより、自分の調子が良いときが、一番良いものができるじゃないですか。

石橋:あの、コントの話で申し訳ないんだけども、コント作っているときは、うーんうーんと唸って作ったコントよりも、パッと何か1個発想とかきっかけが生まれて、ババババッとできちゃったやつが、やっぱり面白いですよね。

坂元:そうですよね。

石橋:こねくり回して作ったコントは、やっぱり面白くないですね。

坂元:それをね、いかにつくるか、ということ。

石橋:それがコンディションなんですか。

坂元:コンディションだと思うんですよね。コンディションを良くするためには「調子悪い」を減らせばいいんじゃないかと思って。いつも真ん中のフラットなところにいて、下に行かないようにする。部屋から出なかったら下に行かないじゃないですか。嫌なことも起きないじゃないですか。

石橋:部屋にいれば、いつも中庸でいられる?

坂元:中庸にいて、あとは調子良いところに行くだけですから。下から上に行くにはちょっと大変だけど、いつも自分が平熱でいたら、オッと(上に)。

石橋:フッと(上に)行くときの、何か前兆みたいなものはあるんですか?「来た来た来た!」みたいな。

坂元:「あ、来てた」と思うんですよね。書いているときに、いつ来るかわからなくて。若いころは「あ、もう夜だ。出来てる」と思ったりとか。そういうことがあって。それが、さっき貴明さんがコントでおっしゃったようにバッと勢いでいったとき、ですね。

石橋:勝手に手が動いちゃう?

坂元:そうですね、あの、登場人物が…。

石橋:しゃべっちゃうんですか?

坂元:そうですね。

石橋:そのためには、常にコンディションを良くして、家から出ない、と。

坂元:家から出ないです。朝、起きると1日分の鍋を作って、それを3回食うんです。

石橋:(笑)。

坂元:それを365日大体やってるんです。

石橋:え?何鍋を作るんですか?

坂元:あの、寄せ鍋です。

石橋:それ、ご自分で?

坂元:そうですね、仕事場ですから。

石橋:食材は誰が買ってきてくれるんですか?

坂元:僕がちゃんと買い物に。東急ストアに行って買ってきますよ。

石橋:それは出かけるんですか?

坂元:そのときだけ。それは、買い出しを週に2~3回決めていて、そのタイミングで行っているんです。

石橋:朝作って。

坂元:それを朝食って、昼食って、夜食って。まぁ、ちょっとお腹すいたなと思ったら、おじやにしたり。

石橋:絶対に鍋なんですか?

『石橋、薪を焚べる』の石橋貴明

坂元:宮崎駿さんは、毎日鮭弁当食べてるんですね。「それだ!」って思いました。

石橋:イチローも必ず、朝、カレーを食べる…。

坂元:カレーですよね。あれ、いいんですよ。

石橋:それが鍋なんだ。

坂元:僕は鍋ですね。寄せ鍋です。

作品を作っていないときは「飲みにもいきますし、友達と会ったりする」が、連続ドラマは制作に半年かかるので、年に半分は「寄せ鍋生活」と告白した。

「古い」と言われるのが一番怖い。宝物を見せるつもりで書いている

坂元裕二と石橋貴明

石橋:何年か先のイメージというのはできているんですか?この作品だけは生涯かけても書くぞとか。

坂元:え…そんなこと聞かれると悩んじゃいますね。

石橋:え、ないの?

坂元:(小さな声で)書くのが、好きじゃないんですよね。本当に。すごく辛いんですよ。

石橋:何で今、書けるの?生活のため?

坂元:「見てもらいたいな」ということはあるんですけどね。こんなのを思いついたから見てみてという。そんな単純なことは、小さいことはありますね。

石橋:テレビ作っているときは、必ず10代の人に見てもらいたいと思って作っているって。

坂元:あぁ、そうですね。

石橋:それは、なぜなんですか?

坂元:やっぱり「古い」って言われるのが一番怖いから、見てもらいたいというか自分が目標として「10代の人が見るためのものを作ろう」という目標を必ず立てて、そこに向かって書くというのが、自分が常に新しくいるための第一歩というか。

石橋:でも、どうやってその、今の年齢から10代の人に見てもらうための、感覚の研ぎ澄まし方って?

坂元:分からないです。何が流行っているとか、話し言葉を勉強しようとか、そういうことはまったく思わないですね。

石橋:何かを調べたりとかそういうことはしないんですか?

坂元:それはしないですね。それをすると、僕が知った時にはもう古くなっているでしょうから。ただ自分の好きなものをこの人たちに見せたいんだっていう気持ちで。こういうの持ってるんだよという、宝物を見せるつもりで、いつも書いてますね。

爆笑する石橋貴明

そのほか、「甘いものが好き」というプライベートや、最近見た映画が「フォレスト・ガンプ」であることなど、独特な発想や思考を織り交ぜて淡々と語り「面白い人だ。すごいな~」と石橋をうならせていた。

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