【新潟 vs 群馬】プロ20年目で38歳。田中達也、みなぎる。 - J's GOAL

2020年12月12日（土）

ホーム、デンカビッグスワンスタジアムで行われた1年前の最終節Ｖ・ファーレン長崎戦の後、ピッチ上で家族全員で写真を撮っていた。田中達也の契約満了が発表されたのは、それから2日後のことだった。

今シーズン、ホーム最終戦となる第40節ザスパクサツ群馬戦を明日に控え、出番をめぐって競い合う集団の中に、プロ20年目で38歳となったFWの姿がある。今年1月10日、アルビレックス新潟と再契約。ここまで6試合に途中出場し、合計44分間プレーしてきた。今季はまだノーゴールだ。

思うように試合に絡めていないが、試合に出るために常に努力し続ける姿勢は、あらゆる選手の手本である。そしてベンチに入れないときは自らトレーニングメニューを考え、自主的に率先して鍛える。行動で、メンバー外のチームメートを奮起させ続けた。超過密日程でけが人も続出し、メンバーの入れ替わりが激しい中、極端にチームが力を落とさず、サッカーの質を保つことができたのは、その存在を抜きに考えづらい。

ここにきて失速気味のチームは、4試合、勝利から遠ざかる。「勝てないのだから、原因がある。疲れが溜まっていたり、けが人もいるけれど、そこに理由を求めるのではなく、サッカーの部分で課題を解決しない限り、僕らはいつまでたっても勝てない」。現実を、真正面から受け止める。

3試合ぶりにベンチ入りした前節、チームはアウェイで松本山雅に1-3と完敗した。しかし、夏に清水エスパルスから期限付き移籍で加入したFW鄭大世を1トップに置き、技術が高く、ボールを動かすことも運ぶこともできる2人のMF、本間至恩と中島元彦を2シャドーに置く攻撃の新しい組み合わせは、可能性を感じさせた。

松本戦で出番はなかった。だが、シャドーの一角でのプレーは、見る者のイメージを大いにかき立ててくれる。「ワシ（ワシントン）がいて、僕とロビー（ロブソン・ポンテ）がいて」。自身は浦和レッズ時代に、どこか通ずる攻撃のトライアングルを経験してもいる。ボールの収まりがよい屈強なFWの周辺で自在に動く。そんな光景を、果たして再び見ることができるだろうか。

「試合に出られるなら、ポジションはどこでもいい。DFでもやりますよ！」と笑顔で言い切る。もともと、ペップ・グアルディオラが率いたバルセロナの大ファン。それだけに、バルサのアカデミーで要職を務めたアルベルト監督が今季、チームで推し進めるポジショナルプレーの色が濃厚なサッカーは、好みのスタイルだ。

「だからこそ、試合に出て体感したい。今はとにかく、サッカーがしたいです！」。気持ちがみなぎっている。

文：大中祐二（新潟担当）

明治安田生命Ｊ２リーグ 第40節
12月13日（日）15:10KO　デンカＳ
アルビレックス新潟 vs ザスパクサツ群馬

デンカビッグスワンスタジアム（アルビレックス新潟）

みんなの総合評価	（4.4）
臨場感	（4.1）
アクセス	（3.8）
イベント充実	（4.1）
グルメ	（4.5）
アウェイお楽しみ	（4.2）

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