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NY市場サマリー(1日)ドル上昇、利回り急低下 株は反発 - ロイター (Reuters Japan)

[1日 ロイター] -

<為替> ニューヨーク外為市場ではドルが上昇した。世界経済見通しに対する悲観的な見方が広がったことで、安全資産としてのドルに買いが入った。一方、リスク心理を反映しやすい豪ドルは2年ぶり安値を付けた。

この日は米10国債利回りが約1カ月ぶり低水準を付けたにもかかわらず、ドルが上昇。FXストリート・ドット・コム(ニューヨーク)のシニアアナリスト、ジョセフ・トレビサニ氏は「不安感が台頭すると、ドルに買いが入る」としている。

主要6通貨に対するドル指数は0.36%高の105.12。6月15日には105.79と、20年ぶりの高水準を付けていた。

ユーロは0.56%安の1.0424ドル。

欧州連合(EU)統計局発表の6月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比上昇率が8.6%と、前月の8.1%から加速し過去最高を更新。市場予想(8.4%)も上回った。

リスク動向に敏感に反応する通貨は軟調。豪ドルは20年6月以来の安値を更新した。

ソシエテ・ジェネラル(ロンドン)の外為ストラテジスト、ケネス・ブロー氏は「下半期は『リスクオフ』での開始となり、ほぼ全面的にドル高になった」としている。

ドルは対円で0.37%安の135.26円。6月29日には137.01円と、24年ぶり安値を更新していた。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.63%下落し、1万9400ドルをわずかに上回る水準。

<債券> 米連邦準備理事会(FRB)が断固としてインフレ率を目標近辺まで引き下げるとの観測を背景に、国債利回りが大きく低下した。

10年債利回りは一時23.3ベーシスポイント(bp)低下。新型コロナウイルス感染拡大で市場が打撃を受けた2020年3月以来の大幅な低下となった。その後は下げ幅を縮小し、8.5bp低下の2.889%。

2年債利回りは8.8bp低下の2.839%。

双方とも約4週間ぶりの低水準にある。

週初からは2年債利回りが22bp、5年債利回りが24bp低下。週間ベースで共に今年3月以来最大の低下となった。

物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.636%、10年物が2.362%と、共に21年9月以来の低水準を付けた。

クワドラティック・キャピタル・マネジメントのマネージングパートナー兼最高投資責任者(CIO)のナンシー・デイビス氏は「FRBの利上げで消費者物価指数(CPI)の上昇が将来的に大きく抑制されるとの見方が市場で出ている」とし、こうした中「ブレーク・イーブン・インフレ率がFRBの平均長期インフレ目標である2%をわずかに上回る水準まで急激に低下した」と述べた。

2年債と10年債の利回り格差は4.5bp。

インフレ期待指標として注目されるドル建て5年先5年物インフレスワップは2.349%。

<株式> 下半期初日の取引を反発して終了した。上半期は半世紀ぶりの大幅下落となったが、市場では新たな動意を探る動きが出ている。

週足では3指数はそろって下落。この日は三連休を控え、商いは薄かった。ノバポイント(アトランタ)の最高投資責任者(CIO)、ジョセフ・スロカ氏は「三連休を控え、取引終盤に買いが入った」とし、「第3・四半期入り後も買いが続くかは、連休明けまで待つ必要がある」と述べた。

市場では第2・四半期の企業決算のほか、労働省が発表する6月の雇用統計、連邦準備理事会(FRB)が26─27日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)などが注目されている。

この日発表の経済指標では、米供給管理協会(ISM)の6月の製造業景気指数が53.0と、前月の56.1から低下し、2020年6月以来の低水準を更新。FRBの積極的な金融引き締めで景気が冷え込みつつあることが改めて確認された。

インガルス・アンド・スナイダー(ニューヨーク)のシニア・ポートフォリオストラテジスト、ティム・グリスキー氏は「インフレがピークに達した可能性を示す初期の兆候が出ているが、依然として経済と物価動向を巡る多くの不確実性が存在している」と指摘。「FRBが利上げ継続の姿勢を変更するには、さらに多くの証拠が必要になる」と述べた。

個別銘柄では、半導体大手マイクロン・テクノロジーが2.9%安。フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は3.8%下落した。マイクロンが前日発表した第4・四半期(6─8月)の見通しは、売上高と利益見通しが市場予想を下回った。地政学的情勢と個人消費の低迷が同社の半導体メモリーに対する需要の重しになる可能性が示された。

百貨店コールズは19.6%安。小売りチェーン運営企業フランチャイズ・グループへの身売りに向けた交渉の中止を決定したことが売りにつながった。

S&P主要11セクター全てが上昇。中でも公益事業の上昇率が最も大きかった。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.77対1の比率で上回った。ナスダックでも1.57対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は110億1000万株。直近20営業日の平均は128億8000万株。

<金先物> 対ユーロでのドル高などを背景に、5営業日続落した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比5.80ドル(0.32%)安の1オンス=1801.50ドルだった。週間では28.80ドル(1.57%)下落した。

<米原油先物> 最近の下落の反動から安値拾いの買いが入り、3日ぶりに反発した。米国産標準油 種WTIの中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比2.67ドル(2.52%)高の1バレル=108.43ドルだった。9月物は2.29ドル高の105.39ドルとなった。週間では0.75%上昇した。

ドル/円 NY終値 135.19/135.22

始値 135.34

高値 135.55

安値 134.8

ユーロ/ドル NY終値 1.0428/1.0430

始値 1.0449

高値 1.0459

安値 1.0367

米東部時間

30年債(指標銘柄) 14時30分 95*11.00 3.1156%

前営業日終値 95*07.00 3.1220%

10年債(指標銘柄) 14時30分 99*28.00 2.8894%

前営業日終値 99*05.00 2.9740%

5年債(指標銘柄) 14時30分 101*22.00 2.8842%

前営業日終値 101*04.25 3.0040%

2年債(指標銘柄) 14時30分 100*09.88 2.8390%

前営業日終値 100*04.50 2.9270%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 31097.26 +321.83 +1.05

前営業日終値 30775.43

ナスダック総合 11127.85 +99.11 +0.90

前営業日終値 11028.74

S&P総合500種 3825.33 +39.95 +1.06

前営業日終値 3785.38

COMEX金 8月限 1801.5 ‐5.8

前営業日終値 1807.3

COMEX銀 9月限 1966.7 ‐68.5

前営業日終値 2035.2

北海ブレント 9月限 111.63 +2.60

前営業日終値 109.03

米WTI先物 8月限 108.43 +2.67

前営業日終値 105.76

CRB商品指数 291.8272 +0.6796

前営業日終値 291.1476

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