［上海 ２７日 ロイター］ - 上海外国為替市場の人民元相場は下落。資金需要の低迷による短期金利の低下や不動産部門を巡る懸念が相場の重しになったほか、米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）の結果発表を前に手控えムードもあった。
中国人民銀行（中央銀行）は元の基準値をを１ドル＝６．７７３１元と元安方向に設定。
スポット市場の元は６．７６２１元で取引を開始し、中盤は６．７６６１元と、前日終値比で１２ポイントの元安となった。
みずほ銀行のアジア通貨担当チーフストラテジスト、ケン・チュン氏は不動産不況を巡る懸念や市場の潤沢な流動性を背景に元は６．７７元の水準に向かって下落していると指摘。
短期金融市場では翌日物レポ金利が２０２１年１月以来初めて１％を割り込んだ。
チュン氏は「非常に低い実勢金利を踏まえると、中国経済は流動性の罠に陥っている恐れがあり、成長支援にさらなる財政措置と不動産規制緩和が必要になるだろう」と述べた。
また、国内の新型コロナウイルス感染を巡る不透明感が引き続き景気回復の足かせとなっており、元を圧迫。中国湖北省の武漢市はコロナ新規感染者が確認されたことから、一部地域で企業活動や交通機関のサービスを停止する。
市場では米中首脳会談の行方も注目されている。関係筋によると、バイデン米大統領と中国の習近平国家主席の電話会談が２８日に行われる見通しとなった。
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