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患者急増で現場混乱か 院長「限界が目の前に」 - 中日新聞

感染した看護師の勤務状況などについて話す橋爪院長(中)=県庁で

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 防護服を二重に着るなど徹底した対策を施していたにもかかわらず県立病院の看護師が感染。十二日に県庁で会見した橋爪泰夫院長は「万全の対策を取ってきたはずだった」と苦渋の表情を浮かべた。

 県立病院では今年初めから対策チームを設置。防護服の着脱方法の講習を受けるなど準備を整えてきた。キャップ、マスク、フェースシールドをはじめ全身を覆う防護服で対策したが、それでも感染は起きてしまった。橋爪院長は「防護服の脱着時に手にウイルスが付着して顔などに触れて感染する頻度が高い。今回もそうしたちょっとしたきっかけが感染につながったと推測するしかない」と指摘した。

 急激な患者の増加により、現場には少なからず混乱があったようだ。同病院の感染症対策を担当する小嶋徹医師によると、今月二日、感染者を受け入れる専用病床が満床になったため、感染症対策を施した病棟へ移動させた。感染した看護師は移動日の前後にあたる一日と三日にこの病棟で勤務していた。小嶋医師は「当然防護服は着ているが、病棟の移動はかなり大変。物品や患者を運ぶ際に、問題があったのかもしれない」という。

 感染した看護師は、先月まで一般病棟で働いていた。患者の急増を受けて対策チームの入れ替えが必要となり、今月一日から投入されたばかりだった。橋爪院長は「重圧のある環境で長期間勤務することは困難。どうしてもチームを入れ替えねばならず、いろんなタイミングが重なってこうなったことは否めない」と話した。

 橋爪院長は「指定医療機関は感染患者のほか、一般入院診療も担わないとならない。県内の各病院で連日話し合いを続けているが、具体的な対応が遅々として決まらない。泣き言を言っても仕方ないが、現場は大変つらい思いをしている。限界が目の前に迫っている」と切実な思いを訴えた。

 (藤共生、本田英寛)

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