[アムステルダム 9日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は9日、金融引き締めを開始するにあたり、ユーロ圏国債市場の分断を防ぐために必要に応じて既存の政策措置を調整したり新たな措置を導入すると述べた。
ECBはこの日、2014年に導入した量的緩和措置である資産購入プログラム(APP)を7月1日に終了すると発表した。
この数週間、市場ではECBの利上げの織り込みが進み、ドイツとイタリアなど南欧諸国との金利差が拡大していた。
ラガルド総裁は理事会後の会見で「過去にも言ったが、必要となれば、既存の調整済みの手段も利用可能になる新たな手段も活用する」と述べた。
「ただ、われわれは金融政策の適切な波及にコミットしており、結果として波及を損なうような分断は回避されるだろう」とした。
しかし、これは新たなスキームによる継続的な支援を期待していた投資家を失望させた。
関係筋によると、政策当局者は現在の状況が「分断」に相当するとは考えていなかった。この議題は理事会で簡単に議論されるにとどまり、新たなプログラムの発表については議論されなかったという。
ある関係筋は、この件に関しては、4月にセミナーが開催されて以来進展はなく、作業が再開されるのは早くても9月になるとの見通しを示した。
9日のユーロ圏金融・債券市場では、南欧諸国の利回りが大幅上昇した。イタリア10年債利回りは一時24ベーシスポイント(bp)上昇し、3.715%と2018年以来の高水準を記録した。
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