文末の「関連ファイル」に、30年までの国内医療用医薬品市場の推移などの資料を掲載しました(会員のみダウンロードできます。無料トライアルはこちら)。
この分析レポートは富士経済がまとめた。同社の専門調査員が参入企業や関連企業・団体などへのヒアリングのほか、関連文献調査、社内データベースを用いて調べた。調査期間は22年4~5月。
◎19年~30年の年平均成長率は0.7%
新型コロナの感染拡大が始まり、受診控えが起こった20年の国内の市場規模は8兆5497億円で、前年比2.3%減となった。21年は、受診控えからの回復や新型コロナワクチン・治療薬の登場などで、市場は前年比5.4%増。22年は、さらに受診控えが和らぎ、新型コロナワクチン・治療薬の販売額も増加するものの、市場は前年に急拡大したため前年比0.8%増となる約9兆800億円になる見込みと分析した。
23年以降は「新型コロナワクチン・治療薬の販売額は大幅に縮小する」と指摘。23年は前年比3.7%減の約8兆7500億円になると予想した。毎年薬価改定の影響を受けつつも、24年以降は抗がん剤やがん免疫療法薬の成長、新規のアルツハイマー型認知症薬の登場などを織り込み、市場は毎年1%前後の成長で推移すると分析した。調査対象最終年の30年の市場規模は9兆4111億円になるとした。19年~30年の年平均成長率は0.7%となる。
◎30年の疾患区分別市場予測 1位はオンコロジー領域・固形がん治療薬に
同社は今回、疾患区分別の30年の市場規模も予測した。1位はオンコロジー領域・固形がん治療薬市場で、30年に1兆5753億円(19年比32%増・約3800億円増)まで拡大すると予測した。同市場は21年に2位だったが、30年までに最大市場になる。主な成長ドライバーは免疫療法薬の適応追加だとしている。
30年の2位はCNS領域疾患治療薬市場で、30年に1兆3296億円(同24%増・約2500億円増)になると予想した。21年は3位だったが、今後、アルツハイマー型認知症に対する新薬が相次ぎ登場することを織り込んだ。
ミクスの調べでは、日本で開発後期にあるアルツハイマー病に係る治療薬候補は、▽アデュカヌマブ(20年12月申請、バイオジェン・ジャパン、対象疾患:アルツハイマー病)、▽ガンテネルマブ(P3、中外製薬、アルツハイマー病)、▽レカネマブ(P3、エーザイ、早期アルツハイマー病/プレクリニカルアルツハイマー病)、▽セマグルチド(P3、ノボ ノルディスク ファーマ、アルツハイマー型軽度認知障害)、▽ブレクスピプラゾール(P3、大塚製薬、アルツハイマー型認知症に伴うアジテーション)、▽ソラネズマブ(開発後期、日本イーライリリー、プレクリニカル期アルツハイマー病)、▽donanemab(開発後期、日本イーライリリー、アルツハイマー病)――がある。
3位は、21年に1位だった生活習慣病(糖尿病、糖尿病合併症、高血圧、高脂血症、痛風・高尿酸血症、肥満、非アルコール性肝疾患)治療薬市場で、市場規模は1兆2246億円(同11%減・約1500億円減)になると分析した。後発品や薬価改定が影響する。
このほか、生物学的製剤やJAK阻害薬との関連性が高い免疫疾患治療薬、整形外科領域疾患治療薬、消化器疾患治療薬、皮膚科領域疾患治療薬の各市場は今後拡大し、順位が上昇するとも予想した。
◎皮膚科疾患治療薬市場 19‐30年の年平均成長率は5.7%、市場別1位
19年~30年の年平均成長率(CAGR)をみると、最もCAGRが高くなるのは皮膚科領域疾患治療薬市場で、年平均5.7%成長すると分析した。「アトピー性皮膚炎や脱毛症といったアンメットニーズの高い疾患に対して、生物学的製剤や経口剤、外用剤で新薬が登場し、市場を押し上げる」としている。30年の市場規模は約4600億円と予想し、19年から約2100億円伸びる。
2位は免疫疾患治療薬市場でCAGRは4.4%(30年市場規模予想約8500億円、19年比約3200億円増)、3位はオンコロジー領域・血液がん治療薬市場で同3.7%(同約4100億円、約1300億円増)、4位は産婦人科領域疾患治療薬市場で同3.4%(同約1000億円、約300億円増)、5位はオンコロジー領域・固形がん治療薬市場で同2.6%(同約1兆5700億円、約3800億円増)――と分析した。
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