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EVバスで中国メーカーが日本市場席巻か、BYDが高シェアの見通し - ブルームバーグ

電気自動車(EV)の時代が来れば、コストの安い中国勢が日本の自動車メーカーを圧倒する-。乗用車の領域では未だ実現していないこうした予測は、より限定された領域に関しては現実味が高いものとなっている。たとえばバスだ。

  「2030年あたりでは30-40%がBYDが獲得できるシェアだろうと想定している」。中国最大の電気自動車(EV)メーカー、 BYD(比亜迪)の日本法人、ビーワイディージャパンの花田晋作副社長はインタビューでこう話した。

  日本でいち早く製品を投入した同社の国内EVバス市場でのシェアは現在約70%。花田氏によると、残りの30%はディーゼルバスからエンジンなどを取り外してモーターを取り付けたバスが大半を占める。今後、国内外の競合他社の参入により下落が見込まれるものの、長期にわたって高シェアを維持する構えだ。

  EVは乗用車としては航続距離に課題が残るが、1日の走行ルートが決まっている路線バスなどの用途とは親和性が高い。政府の脱炭素の取り組みなどを背景に、全国で大手の鉄道系バス会社などの多くが電動化を進めていくと表明しており、EVバス導入の弾みとなっていると花田氏はみる。5月に販売した2種類の新型バスもそれぞれ数十台を受注しているという。

  市場シェア3-4割を確保できれば30年で累計4000台としている従来の自社の販売目標は「そんなに難しいわけではない。28年あたりまでにはもしかしたらいけるかもしれない」との見方を示した。

中国EV最大手

  1995年に電池メーカーとして創業したBYDは中国最大のEVメーカー。2005年に設立された日本法人では、四季がある日本に適した部品の試作など研究を重ね、15年に京都のバス会社に初めてEVバスを導入した。

  同社のEVバスは小型から大型まで車種をそろえ、1回の充電で最低180キロメートル以上の走行が可能。路線バスなどでのEVバス利用では短距離で70-80キロ、長距離でも平均で約150キロといい、一日一度の満充電で運行できる。EV専業メーカーの調達力を武器に、エンジン車も併売している他社よりコストを下げられるのも強みという。

  国内メーカーでも開発を急いでいるものの、市場導入では後れを取っている。 日野自動車 いすゞ自動車はいずれも現時点でEVバスを市販していない。両社の合弁でEVの路線バスの生産を 始めるのは24年度の予定で、日野自はBYDの受託生産(OEM)で22年春に発売 予定だった小型EVバス「ポンチョ」の投入が遅れている。

  住友商事などが行う中古の国産ディーゼルバスを改造した電気バスの運行もまだ実証 実験の段階という。一方、日本でEVバスを販売している中国メーカーはBYDだけでなく、アルファバスも19年に 日本法人を設立して拡販を進めている。

アフターサービスが鍵

  BYDでは今後の普及に向け、サービス強化のため現在は京都や群馬など全国に5カ所ある在庫拠点を福岡と北海道にも設ける予定で、人員も積極的に拡大する。

  BYDは日本での販売はアフターサービスが鍵となるとみて、社内で育成した人材が販売先企業に出向いての講習などを行う体制を構築。全国約70の提携工場などと協力し、必要な部品を原則48時間以内に現場に届ける仕組みも整えているという。

  BYDでは最近、京都のタクシー会社に乗用車タイプのEVを納入した。しかし、花田氏は日本ではバスとフォークリフトに集中するとして、今後も乗用車を一般販売する予定はないと述べた。

  東海東京調査センターの杉浦誠司アナリストは電話取材で、BYDは「新しいものを導入しようとする先駆的な顧客にアピールできる数少ない有力なメーカー」と説明。EVを早く導入して普及させることで「リピートオーダーも来るだろうしメリットとして大きい」とみる。

  一方で、今後販売台数が増えても品質を維持し続けられるか、「先駆的に取り組んできたゆえのハードルとなる」との見方を示した。

 

 

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