債券投資家は米経済にリセッション(景気後退)が迫っていると見込む取引を増やしている。米経済について市場と米金融当局の見方はますます乖離しつつある。
この格差は米国債イールドカーブに顕著に表れている。トレーダーが年内の追加利上げ観測を後退させ利下げ見通しを強める中で、2年物の米国債利回りが10年物を上回る逆転現象は解消方向に向かっている。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が2023年中の利下げを想定していないと明言しているにもかかわらずだ。
過去1年の間に債券市場は何度も米利上げ停止と利下げへの転換を予想して失敗している。
しかし今回は、08年の金融危機以降で初の米銀破綻を受けて何かが壊れたという感覚が強まった。これは市場のあちこちで顕著だ。金融株の指標が新型コロナウイルス禍初期以降で最悪の月間パフォーマンスに向かっているほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)の日程に合わせたスワップが年内に1ポイントの利下げを織り込んだ。今月の一時期には米ピーク金利5.5%が想定されていた。
パウエル議長は今年についての当局の基本シナリオに利下げはないとしながらも、信用環境が引き締まることが利上げの代わりになるかもしれないと発言。当局が近く利上げサイクルを転換させるとの観測に寄与した。
30日には連邦準備制度が重視するインフレ指標である個人消費支出(PCE)価格指数が発表される。前年同月比4.7%上昇という予想の通り高水準であっても、市場の注目は銀行危機とリセッションリスクから動かないだろう。
アムンディ・アセット・マネジメントUSの最高投資責任者(CIO)、ケネス・トーブズ氏は「インフレは高止まりしているが、債券市場は米経済が大幅な減速に向かっているとの見方を示している」とし、逆転状態にあった2年債と10年債の利回り差がFOMCの0.25ポイント利上げ後に縮小しているのは「通常の反応ではない」と指摘。市場は「利上げを経済に対するさらなる打撃と捉えているのだろう」と述べた。
市場は数カ月にわたり、長短利回り逆転をそう遠くない将来のリセッションの先触れと見て注目してきた。今はその逆転の解消がリセッションは目前に迫っていると警告している。2年債利回りは大きく低下し一時30年債利回りを下回った。数カ月内に利下げがあるとの見通しを反映したもので、逆イールド解消は昨年9月以来だった。
ハートフォード・ファンズの債券ストラテジスト、アマ―・レガンティ氏は「イールドカーブは米金融当局が年内のある時点で利下げを迫られることを示唆している」と述べた。
ブルームバーグ・エコノミクスは7-9月(第3四半期)のリセッション入り確率を75%と見積もっている。
原題: Bond Traders Go All-In on US Recession Bets That Defy Fed View(抜粋)
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