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世界で最もホットな住宅市場、ローンリセットの痛みに直面へ - ブルームバーグ

住宅購入者と不動産所有書は世界中で借り入れコスト上昇に伴う痛手を負っている。

  シドニーやストックホルム、シアトルなどの各地で潜在的な買い手は購入を手控えつつある。各国・地域の中央銀行が過去数十年ぶりの急ペースで利上げを進め、住宅価格は下落している。一方、新型コロナウイルス禍のブーム期に低金利の借り入れで住宅を購入した多くの人々は、ローンのリセットを受けて支払いが増えることになる。

  家計資産の主要な項目である不動産の急激な価格低下は世界的な景気下降に拍車を掛けることになりかねない。住宅市場の不振はこれまでのところ2008年の金融危機の水準には近づいていない。だが、消費者信頼感を損なったり深刻なリセッション(景気後退)を招いたりすることなくインフレを抑制したい中銀当局者にとって、住宅価格下落がどのように展開するかは重要な変数と言える。

  オーストラリアやカナダなどの泡立った市場は既に住宅価格の2桁の下落に見舞われており、世界的な下降傾向は始まったばかりだと複数のエコノミストはみている。

  日本銀行でエコノミストを務め、世界の住宅価格に関する国際通貨基金(IMF) 論文を共同で執筆するなどした法政大学経営学部の 平田英明教授は、23-24年に住宅市場の世界同時不況が見込まれると指摘。今年に入ってからの各国・地域の中銀による積極的利上げの全面的な影響が家計に響くようになるには時間がかかると警告するとともに、売り手はしばしば需要収縮のサインを見落とすと話した。

Property Slump

Home prices are now falling sharply across cities that saw the biggest gains

Source: Bloomberg, Corelogic, Real Estate Institute of New Zealand, Valueguard, Teranet-National Bank

  不動産購入資金のコスト上昇はさまざまな形で打撃となる。ローンを抱える家計は財布のひもが固くなる一方、住宅ローン金利の上昇では潜在的な買い手が購入に二の足を踏むことになり、不動産価格を押し下げて不動産開発も落ち込むことになる。

  不動産市場の鈍化は金融危機後の各国・地域の当局による金融緩和や、新型コロナ禍で人々が一段と大きな居住空間や在宅勤務向けの住宅を求めたことに伴うブームからは様変わりだ。物価が高騰し、リセッションに陥る恐れもある中で、過去最高水準の購入費で住宅を手に入れた多くの人々は、ローンのリセットによる支払い増に直面している。

  野村ホールディングスのグローバル市場調査責任者、ロブ・スバラマン氏は「住宅ローンを抱える若い家計は、インフレ調整後の実質賃金が下げっている状況で、金利の急上昇を経験したことはこれまでの人生でなかっただろう。彼らには極めてショッキングなことと受け止められるだろう」と話した。

  なお、金利上昇に借り手がどれほどエクスポージャーがあるかは、国によって顕著な違いがある。例えば米国の場合、買い手の大部分は最長30年の固定金利ローンを組んでいる。過去5年間の平均で、変動金住宅利ローンの割合は通常型ローンの7%程度だった。

  これに対し、他の国々のローンでは通常、固定金利は1年程度か、政策金利と緊密に連動する変動金利となっている。フィッチ・レーティングスの5月のリポートによれば、オーストラリア、スペイン、英国、カナダの順番で20年の新規組成ローンに占める変動金利ローンの割合が最も高かった。

Rate Vulnerability

Variable-rate mortgages as % of 2020 new loans

Source: Fitch Ratings, EMF

原題:

The World’s Hottest Housing Markets Are Facing a Painful Reset(抜粋)

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