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「日銀は市場に負けた」と言う人の根本的な間違い - 東洋経済オンライン

4月8日に任期満了を迎える日銀の黒田東彦総裁。任期中最後となる、次の3月の金融政策決定会合で動くかもしれない(写真:REX/アフロ)

日本銀行は1月17~18日に行われた金融政策決定会合で、政策変更を行わなかった。これは国内関係者の予想どおりで、海外トレーダーの予想は外れたわけだが、これはいつものことで、中央銀行という政策決定者の行動原理と心理をわかっていないからだ。

では、中央銀行の行動原理と心理とは何か。これが今回のテーマである。

なぜトレーダーの「仕掛け」は失敗に終わったのか

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら

投資家、トレーダーたちは、取引は勝負だと思っている。つまり「儲けたものが勝ち、損したものが負け」だから、なんとしても勝つ、儲ける、損はなんとしても避けたい。

だから「日銀が買い支えるのでチャンスだ、日銀を追い込んで儲けてやれ」と2022年6月には円に売りを仕掛け、2023年1月には国債に売りを仕掛けた。

しかし、この仕掛けは失敗に終わった。日銀がトレーダーたちの脅しに屈せず、政策を維持した。これは100%予想されたことだ。なぜそれがトレーダーたちにはわからないだろうか。

それは、彼らが「世の中はすべて損得で動く」と思っているからである。日銀を追い込めばギブアップするだろう。なぜなら、売り浴びせられたら、買い入れを続けるのは無限に損が膨らむ。だから、維持不可能になる。よってギブアップする。そうなれば、国債は暴落し、膨大な売りポジションを取ったわれわれは大儲けする。そういう発想だ。

それは、このゲームがゼロサムゲームではないことに気づいていないことである。あるいは「日銀の損は俺の得、俺が儲けるということは、日銀は損をする。俺は勝って、日銀は負ける」といったように、「損と得は裏表、勝ちと負けの勝負だ」と勘違いしていることである。

日銀は、損失を気にしない。トレーダーにとっては損得がすべてで、絶対に損はしたくない。しかし、日銀は損しても気にしない。そうなれば、勝敗は明らかだ。制約条件がひとつ少ない日銀が勝つ。損得の勝負で損を気にしないのだから、断然有利だ。

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